「糖尿病だと貧血になりやすいの??」

糖尿病の患者さんは、貧血の方が結構多いんですよね(^^;) めまいやふらつきを起こしている患者さんを見かけることがあります。

「両者にはどういった関係があるのだろう?」と疑問に思ったので、調べてみました!

糖尿病になると、体の様々な部位に影響が及びます。糖尿病の三大合併症として、目・腎臓・神経の病気がありますが、影響が出るのはそれだけではないのです!

あまり知られていないのが・・・
貧血になりやすいこと

糖尿病と貧血にはどのような関係があるのか気になりますよね(^^) それには、複数の身体ののメカニズムが関係しています。

今回は糖尿病貧血関係について見ていきましょう!

 

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■糖尿病と貧血の関係とは?


糖尿病だと貧血になりやすいのは、どうしてなのでしょうか?それは・・・

糖尿病性腎症による影響を受けるから

貧血は糖尿病の三大合併症の1つである糖尿病性腎症と深く関係しています。

糖尿病性腎症とは、血糖値の高い状態が続くことで、血液をろ過して尿を作る働きのある”腎臓の機能”が低下する病気。

糖尿病性腎症による腎臓の機能の低下によって、赤血球を作る働きに影響が出てしまいます。赤血球の産生を促進するホルモンであるエリスロポエチンの分泌が減って、貧血を起こしやすくなるのです。

腎臓の機能低下に起こる貧血を腎性貧血と言います。

腎性貧血を発症すると、全身に酸素を運ぶ役割をする赤血球が減少するため、以下のような症状が起こります。

<腎性貧血による症状>
・疲労感
・動悸
・息切れ
・めまい
・立ちくらみ
・体のむくみ

など

 

貧血の症状は徐々に進行するため、次第に体が貧血の状態に慣れてしまうケースが多くあります。

しかし、適切な治療をせずにいると、全身の酸素不足を補うために心臓への負担が大きくなりがちです。心臓がうまく動かない心不全という症状に進行する可能性があるのが、非常に怖いところ(*_*)

 
糖尿病で血糖コントロールの状態を判断する重要な指標の1つとなっているのがHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)。貧血だとHbA1cの値にも影響が出てしまいます。

では、貧血とHbA1cにはどのような関係があり、糖尿病の治療にどのような影響が出るのでしょうか?

次の章で詳しく見ていきましょう。

 

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■貧血だとHbA1cが低くなる!?


腎性貧血によって血液中のヘモグロビンが減少すると、ある影響が出てしまいます。それは・・・

HbA1cの値が低く出やすいこと

実際の血糖の状態よりも、低く出る傾向にあるのです。

 
HbA1cとは、赤血球のヘモグロビンに血液中のブドウ糖が結合したもの。ヘモグロビンにブドウ糖が結合した割合を表したのがHbA1c値です。

血液中にブドウ糖が多いほど、ブドウ糖が多くのヘモグロビンと結びつくため、HbA1cの値は高くなっていきます。

しかし、腎性貧血を発症すると、赤血球が少なくなります。そうすると、赤血球を構成しているヘモグロビン自体も少なくなります。

つまり、HbA1cの値が実際の値よりも低くなってしまうということ。

したがって、糖尿病性腎症が悪化して腎性貧血を起こしている場合には要注意!

HbA1cの値が下がり、一見糖尿病が改善されたように思ってしまいがち(^^;) しかし、実際には赤血球の量が減少していることが原因であり、血糖状態が改善されているわけではないのです。

 
腎性貧血が疑われる場合には、血中のヘモグロビンの数値やエリスロポエチンの数値も一緒に調べる必要があります。

では、腎性貧血と診断された場合には、具体的にどのような治療を行うのでしょうか?

次の章で詳しく見ていきましょう。

 

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■食事から鉄分を取ればいいの?


腎性貧血は腎臓の機能の低下によるもので、単に食事から鉄分を摂取するだけでは改善は不可能です。

腎性貧血はエリスロポエチンの分泌が減少し、十分な赤血球が作られなくなることが原因です。そのため、腎性貧血治療薬によってエリスロポエチンの分泌不足を補う治療を中心に行います。

エリスロポエチンは鉄分が不足していると十分に効果が発揮できないため、治療薬の服用と共に、鉄剤や食事から鉄分を補給することも大切!

鉄分を多く含む食品の代表例をご紹介しますね(^^)

<鉄分を多く含む食品>
・レバー
・赤身の肉
・貝類
・煮干し
・大豆
・小松菜
・ほうれん草
・海藻類

など

 
鉄分の吸収を良くする良質の動物性タンパク質・ビタミンC、鉄分を血液に変える作用があるビタミンB2・B12・葉酸を同時に摂取すると、より効果的です。

糖尿病治療の兼ね合いもあるので、医師や栄養士とも相談の上で食事療法を進めていきましょうね!

 

■まとめ

糖尿病と貧血の関係について振り返っておきましょう。

<糖尿病だと貧血になりやすい原因はコレ!>
腎機能の低下によって貧血が起こりやすくなる

糖尿病によって腎臓に障害
 ↓
エリスロポエチンの分泌が低下
 ↓
赤血球の産生量が不足
 ↓
貧血

 
糖尿病と貧血は、糖尿病性腎症と深い関連があります。

糖尿病性腎症によって腎臓の機能が低下すると、赤血球を作る働きを促進するエリスロポエチンの分泌が減少します。そうすると、赤血球が不足することによって腎性貧血が起こるのです。

糖尿病によって貧血が起きる場合、腎臓に障害を受けているため、根本的な原因である糖尿病の治療を行い、血糖コントロールをしていくことが特に大切!

また、糖尿病によって貧血が起きる場合、検査値にも影響が出る可能性があります。

血液中のヘモグロビンが減少すると、HbA1cの値が実際の血糖の状態より低く出る傾向があるのです。一見糖尿病が改善されたように思えてしまうため、注意が必要!

治療薬の服用と鉄分の補給によって、腎性貧血の治療をしていきましょうね!

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