「自己抗体によって、1型糖尿病が発症するの??」

病院には多くの糖尿病患者さんがいますが、もちろん1型糖尿病の患者さんもいます。カルテなどを見ても、1型糖尿病の患者さんの割合は少ないですけどね(^^;)

自己抗体の発現によって、1型糖尿病が発症する可能性があるのです!

自己抗体とは、自分の体の組織を攻撃してしまう抗体のこと。

通常、抗体は異物の侵入から体を守るために働きます。しかし、自己抗体が形成されてしまうと、自分の細胞を攻撃するようになってしまうのです。

そこで気になるのが・・・
1型糖尿病と自己抗体との関係性

1型糖尿病は、血糖値を下げるホルモンであるインスリンを分泌する細胞を壊してしまう病気。そうすると、インスリンが正常に作られないため、高血糖状態が続いてしまうのです。

今回は1型糖尿病自己抗体の関係性について見ていきましょう!

 

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■自己抗体が1型糖尿病を引き起こす!?


自己抗体が原因で、1型糖尿病を発症することがあるのです。1型糖尿病は、自分で自分の体を攻撃してしまう自己免疫疾患に分類されます。

それは、インスリンを分泌する膵臓のβ細胞を自分で攻撃してしまうために起こるのです。

しかし、なぜこれらの自己抗体が生じるのか、その原因については詳しく解明されていません(^_^;)

 
1型糖尿病が疑われる場合、血液検査で以下のような自己抗体の有無を検査します。

自己抗体には、次のようなものがあります。

<1型糖尿病を引き起こす自己抗体>

【GAD抗体】
膵臓のβ細胞にある“GAD(グルタミン酸脱炭素酵素)”は、インスリンの合成や膵臓のホルモン分泌などに関与している酵素です。免疫システムの誤作動によって、GADに対して作られるのがGAD抗体です。

【IA-2抗体】
免疫システムの誤作動によって、膵臓に存在する“IA-2(膵内分泌腫瘍関連蛋白Ⅱ)”というタンパク質に対して作られるのがIA-2抗体です。

【IAA抗体】
免疫システムの誤作動によって、体内のインスリンが異物と認識されることで作られるのがIAA抗体です。

 

自己抗体検査は、1型糖尿病を判定するのに有効な検査ですが、抗体があっても必ずしも陽性になるわけではありません。

陽性となる確率は、年齢や糖尿病を発症してからの期間によって異なります。年齢を重ねることや、発症してからの期間が長いことによって、陽性となる確率が下がることがあるのです。

そのため、抗GAD抗体・抗IA-2抗体・抗IAA抗体の検査を併せて行うことが、1型糖尿病の判定精度を上げることにつながります!

 
また、自己抗体が陽性であるのに、急激に症状が現れない緩徐進行1型糖尿病という場合もあります。

緩徐進行1型糖尿病では、β細胞の破壊がゆっくり進行するため、当初はインスリン注射を必要としません。次第にβ細胞の破壊が進行してインスリンの分泌が低下し、やがてはインスリン注射が必要となるのです。

 
実は、自己抗体がなくても、1型糖尿病が起きる可能性があります!それはどうしてなのでしょうか?

次の章で詳しく見ていきましょう!

 

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■自己抗体がなくても1型糖尿病!?


自己抗体がなくても、1型糖尿病を発症することがあります。このタイプのことを特発性(とくはつせい)と呼びます。

特発性の1型糖尿病は、インスリンを分泌する膵臓のβ細胞の急激な破壊が起こるために生じる糖尿病。

急激にβ細胞が破壊される詳しい原因は解明されていませんが、遺伝子の変異が関与していること報告されています。

 
ウイルス感染によって1型糖尿病の発症に関わる遺伝子の変異については、下記の研究結果があります。

九州大学大学院医学研究科の永淵正法教授のグループによる研究結果です。2015年4月に国際学術雑誌「Nature Communications」にて、ウイルス感染と1型糖尿病の発症に関する内容が掲載されました。

ウイルス感染によって、チロシンキナーゼ2遺伝子(Tyk2)という遺伝子が変異すると、1型糖尿病を発症するリスクが高くなることが発表されました。

風邪症状の後に1型糖尿病を発症した患者の13.7%にTyk2の遺伝子変異がみられ、ウイルス感染による1型糖尿病発症リスクの上昇が示されたのです。

 
特発性の1型糖尿病は、子供や若年層に多い自己免疫性の1型糖尿病と異なり、大半が20歳以上です。

特発性の1型糖尿病を発症した約70%の患者に、咽頭痛・発熱・上腹部痛・悪心・嘔吐といった症状が見られていました。つまり、1型糖尿病を発症する直前に、ウイルス感染による風邪症状があったということ。

風邪症状が出た数日後には急激に血糖値が上昇して、1型糖尿病の症状である口渇・多飲・多尿・全身倦怠感が起こったのです。

健康だった人にも突然起こり得るのが、非常に怖いところ(;_;)

 
自己抗体がないから1型糖尿病ではないと安心せず、異常な症状が見られたら、可能な限り早く医療機関を受診しましょうね!

 

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■まとめ

1型糖尿病と自己抗体について振り返っておきましょう。

<1型糖尿病と自己抗体の関係性はコレ!>
自己抗体が自分の膵臓を攻撃する

 
自己抗体の発現によって、膵臓のβ細胞を自分で攻撃してしまうために起こります。そうすると、インスリンが正常に分泌されず、1型糖尿病を発症してしまうのです。

代表的な1型糖尿病の自己抗体がGAD抗体・IA-2抗体・IAA抗体の3タイプ。

“1型糖尿病=自己抗体”の発現と思われがちですが、実は例外もあります。

それがウイルス感染による特発性の1型糖尿病。このタイプでは、自己抗体がなくても、1型糖尿病を発症してしまうのです。

1型糖尿病が治るのかを調べてみましたが、現時点ではないとのこと(x_x) ただし、インスリン注射によって血糖値をコントロールしていけば、健常人と同じような日常生活を送ることができます!

1型糖尿病のことについて理解を深め、適切な対処を行っていきましょうね!

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