「糖尿病だとインフルエンザを発症しやすいって本当??」

「糖尿病の患者さんはインフルエンザを発症しやすい気がするんだよね…」という話を看護師から聞きました。あくまで感覚的なものであり、その理由はわからないとのこと・・・

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私は「どうしてなのだろう?」と気になって、本当なのかどうかを調べてみました(^^) すると、

糖尿病の人がインフルエンザを発症しやすい

このことが検証された研究があったのです!欧州糖尿病学会が発行する医学誌に発表されています。

糖尿病だとインフルエンザが発症しやすくなることを実証した研究結果。それがどういった内容なのか気になりますね。

今回は糖尿病インフルエンザ発症との関係についてお伝えしていきますね。

 

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■糖尿病だとインフルエンザ発症率が高まる?

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命の危険にもつながりかねないインフルエンザ。糖尿病とインフルエンザの発症率に関する研究が、欧州糖尿病学会が発行する医学誌で発表されています。

その研究とは、具体的にどのような内容なのでしょうか?

2014年2月に欧州糖尿病学会が発行した医学誌『ダイアビトロジア(Diabetologia)』から研究内容が掲載されました。

この研究は、カナダのアルバータ大学公衆衛生部のジェフリー ジョンソン教授らによるものです。カナダのマニトバ州で2000~2008年にインフルエンザの感染が疑われ、医療機関で入院治療を受けた全ての患者を対象に調査が行われました。

対象となった患者数は16万6,715人で、年齢は18~64歳(平均年齢50〜51歳)、男女比はほぼ半分です。

糖尿病の人はインフルエンザの発症率が高くなること、インフルエンザが重症化して入院するリスクも高くなることが研究結果から明らかになっています。

糖尿病患者がインフルエンザのために入院する割合は、糖尿病でない患者より6%高いという結果が出ています。

 
この調査の対象となったのは18~64歳ですが、もちろん、インフルエンザに注意が必要なのは働き盛りの年代の人ばかりではありません。

高齢者はインフルエンザに感染すると重症化するリスクが高いため、糖尿病の有無に関わらずインフルエンザの予防接種が推奨されています。高齢者で糖尿病の持病があると、より一層インフルエンザを発症させないように注意が必要です。

 
糖尿病であると、インフルエンザに感染しやすく、感染した時に重症化しやすくなるのはなぜなのか気になりますね。

続いて見ていきましょう。

 

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■インフルエンザを発症しやすい理由とは?

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糖尿病だとインフルエンザを発症しやすくなるのはどういった理由があるのでしょうか?

インフルエンザウイルスが体内に侵入しても、免疫力の違いによって病気にかかったりかからなかったりします。

免疫力とは、体の外から入ってきた細菌・ウイルス・カビといった異物の侵入を防いだりする力のことを言います。免疫力が高ければ、インフルエンザやその他の細菌やウイルスに感染しにくくなりますが、糖尿病になると免疫力が低下する傾向にあります。

そのため、糖尿病だとインフルエンザに感染しやすい上、重症化しやすいのです。

糖尿病だと免疫力が低下する理由について詳しく見ていきましょう。

① 白血球の機能が低下する

免疫力に大きく関係するのは、血液中の白血球という成分です。白血球の40~60%を占め、最も数が多いのが好中球であり、細菌やウイルスが体内に入ってくると、細菌やウイルスを取り込んで撃退します。

細菌やウイルスを取り込む作用を貪食(どんしょく)作用と言いますが、血液中に糖分が多ければ多いほど、その作用は低下してしまうことに。

好中球の作用が低下すると、病原体を排除する力も低下するため、インフルエンザに感染しやすくなるのです。
 

② 血流が悪くなる

糖尿病になると、血液がドロドロの状態になって血流が悪くなります。

血流が悪くなると、細胞に酸素や栄養が行き渡らず、細胞の働きが悪くなってしまいます。その状態だと好中球がウイルスや細菌を発見しても、ウイルスや細菌の侵入に鈍感になってしまいます。

そのため、インフルエンザに対する抵抗力や回復力が弱まり、重症化しやすくなるのです。

 
糖尿病患者は、インフルエンザに極力感染しないように、常に予防を心がける必要があります。インフルエンザの予防には、どのような対策を行えば良いのかについて見ていきましょう。

 

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■対策はどうすればいい?

糖尿病の人はインフルエンザを発症しやすく、重症化するリスクも高いですので、まずは以下のような一般的なインフルエンザ対策を行い、発症の防止に努めましょう。

対策①: インフルエンザの予防接種を受ける

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インフルエンザの予防接種は発症を抑えることや、重症化を防ぐ効果があります。

先ほどご紹介した研究結果の中に、インフルエンザの予防接種が効果的である旨も報告されています。成人糖尿病患者が年1回予防接種を行うことを推奨したガイドラインを裏付ける結果になったと言及しています。

この結果から、糖尿病患者が年1回インフルエンザの予防接種を行うことは、インフルエンザの発症を抑えたり、インフルエンザに感染した場合の重症化を抑えたりするために有効であると考えられています。
 

対策②: 手洗いをする

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手洗いも非常に大切です。

手のひらや甲・指の先・指の間・手首を丁寧に洗うようにしましょう。15秒間を目安に行います。

前橋市が公開している『インフルエンザ予防のための正しい手洗い』に関する動画をご参照くださいませ。1分30秒で手洗いの方法が簡潔にまとまっている動画です。

 
 

対策③: マスクの着用

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マスクの着用によってウイルスの侵入をある程度防ぐことができます。また、鼻や喉を保湿できるため、感染リスクを減らすことができます。

また、風邪など他の細菌・ウイルスの感染予防にもなります。

最近では寝るときにマスクをする人も増えてきています。その効果に関する記事はこちらをご参照くださいませ。
⇒ マスクをして寝ると喉に良いって本当?その効果を徹底究明!

 
糖尿病だとインフルエンザ発症率が高くなるので、なるべく発症させないようにすることが大切。これらのポイントを実践し、感染のリスクを減らしていきましょうね。

 

■まとめ

糖尿病だとインフルエンザが発症しやすいのはどうしてか振り返っておきましょう。

<糖尿病だとインフルエンザ発症率が高くなる原因がコレ!>
① 白血球の機能が低下する
② 血流が悪くなる

 
糖尿病だとインフルエンザの発症率が高いということは、欧州糖尿病学会が発行する医学誌に掲載された研究で明らかになっています。

糖尿病の患者さんはインフルエンザを発症しやすい気がするという看護師の感覚が素晴らしいなと実感^^ 研究結果の話をすると「やっぱりね〜」と得意げになっていました(笑)

糖尿病によってインフルエンザを発症しやすくなる理由は、血糖値が高い状態が続くことが根本的な原因。白血球の一種である好中球の働きが低下したり、血流が悪化したりして、免疫力が弱まるためです。

また、インフルエンザにかかると重症化するリスクが高まるので、いかにインフルエンザに感染しないようにするかが大切です。

予防摂取・手洗い・マスクの着用などで対策をしていきましょうね!