「糖尿病によって失明するって本当??」

先日、糖尿病がきっかけで失明した患者さんの話を聞きました。その時にまず思ったのが、失明の可能性があるって非常に怖いなと(>_<)
 
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糖尿病は、失明に至る恐れがあるので、注意をしなければならない疾患です。ただし、糖尿病と診断されて、短期間のうちに失明してしまうわけではありません。長い期間をかけて症状が進行して最終的に失明に至るのです。

失明する前に、きっかけとなる症状にはどういったものがあるのかを知っておけば、早めに対処ができます。そこで、

糖尿病によって失明する前兆のサイン

コレをお伝えしていきますね。

どのような症状があると要注意なのか、具体的にどのような治療を行うのかについてわかりやすくまとめてみました!

それでは、糖尿病失明する前兆の症状について見ていきましょう。

 

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■失明する前兆の症状とは?

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糖尿病がきっかけで失明するのは、糖尿病網膜症という合併症が原因です。

糖尿病網膜症は、血糖値の高い血液が流れることによって、目の網膜に張り巡らされている毛細血管が詰まったり破れたりする疾患です。

糖尿病網膜症によって、網膜に出血などの異常が現れますが、どういったメカニズムなのかを簡単に知っておきましょう。

 
網膜は眼球の内側に貼りついた薄い膜で、カメラのフィルムの役割を果たしています。

網膜には視細胞が分布しており、角膜から水晶体を通って入って来た光を電気信号に置き換えます。電気信号は視神経に集められ、脳へと伝えられることで、はじめて物が見える状態になるのです。

しかし、血糖値の高い血液のせいで、網膜に酸素や栄養分を供給することが困難に。そうした状態が長期間続くと、網膜が損傷を受け続け、最終的には失明につながってしまうのです。

 
糖尿病網膜症を発症しても初期の段階では自覚症状がありません。そのため、放置してしまうことが多く、徐々に症状は進行していきます。

ようやく自覚症状が現れる頃には、かなり病状が進行した段階になっていて、すぐに治療を始めなければ失明してしまう恐れがあります。

では、具体的には、失明の前兆となるのはどのような症状なのでしょうか?

<失明の前兆症状>
・ 蚊のような虫が飛んでいるように見える
・ 黒くもやもやしたものが見える
・ 真っ赤なカーテンが張っていているように見える
・ 視界がかすんで見える
・ 急激に視力が低下し、物が見づらくなる

 
毛細血管からの出血によって、網膜に影ができたり光が遮られたりすること。もしくは、網膜が眼球から剥がれる網膜剥離を起こしていることが原因です。

この状態になる前には、いくつかの段階があります。

続いて、どのような段階を経て失明につながるのかを見ていきましょう。

 

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■失明に至るまでの3つの段階

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糖尿病網膜症は、糖尿病を発症して急激に進むものではなく、数年~10年以上にかけて徐々に進行していきます。糖尿病網膜症の進行速度には個人差がありますが、どのような段階を経て進行するのでしょうか?

糖尿病網膜症の病状には大きく3つの段階があります。

  1. 単純糖尿病網膜症
  2. 前期増殖糖尿病網膜症
  3. 増殖糖尿病網膜症

それぞれの段階について見ていきましょう。

第1段階:単純糖尿病網膜症

単純糖尿病網膜症は、網膜内の毛細血管の血流が悪くなり始めて生じる初期の糖尿病網膜症です。

毛細血管の壁がコブのように盛り上がってできる血管瘤(毛細血管瘤)や、小さな出血(点状・斑状出血)が生じます。また、タンパク質や脂肪が血管から漏れ出たシミ(硬性白斑)を形成することもあります。

この段階では自覚症状を感じることはなく、血糖値のコントロールが良ければ改善されて自然に消えることもあります。
 

第2段階:前期増殖糖尿病網膜症

単純糖尿病網膜症より一歩進行した状態の糖尿病網膜症です。毛細血管が詰まりによって、酸素不足になっている部分が出てきたり、静脈が異常に腫れて毛細血管の形が不規則になったりします。

毛細血管が広い範囲で詰まってしまうと、網膜に十分な酸素が行き渡らなくなります。そうなると、足りなくなった酸素を供給するために新しい血管(新生血管)を作り出す準備を始めます。

眼底検査という目の病気を調べる検査をすると、血管が詰まってできた白いもやもやした塊(軟性白斑)が見られます。

かすみなどの症状を自覚することが稀にありますが、この段階でも自覚症状がないことが多いです。
 

第3段階:増殖糖尿病網膜症

前期増殖糖尿病網膜症からさらに進行して重症の状態です。新生血管ができ、網膜や硝子体に向かって伸びていきます。

硝子体は、眼球の内部を満たす透明なゼリー状の組織で、正常であれば血管は通っていない場所です。

新生血管は非常にもろいため、すぐに破れて網膜や硝子体で出血を起こします。出血が起きると、視野に黒い影やゴミのようなものが見える飛蚊症と呼ばれる症状が出たり、多くの出血によって視界が暗くなるといった、失明の前兆とも言える危険な状態になります。

 
第二段階である単純糖尿病網膜症を過ぎると、治療をしても網膜の状態が元に戻らないことがほとんどで、失明は避けられても視力が回復しない場合が多いです。

糖尿病網膜症を早期に発見し、悪化させないようにするには、どのようなことに気を付けていけばよいのでしょうか?

続いて見ていきましょう。

 

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■糖尿病網膜症を悪化させないためには?

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自覚症状が出た段階で糖尿病網膜症の治療を始めても、既に症状が進行していて網膜の状態が戻らず、手遅れになることも多々あります。

そのため、糖尿病網膜症の症状を深刻化させないためには、自覚症状が出る前に発見して対策を始めることが大切。また、糖尿病網膜症の根本的な原因である糖尿病の治療も継続する必要があります。

糖尿病と診断された時点で、まずはどのようなことに注意すれば良いのかを見ていきましょう。

対策①:眼底検査

糖尿病になった時点から定期的に眼科を受診し、眼底検査を受けるようにしましょう。眼底検査は、瞳孔の奥にある眼底の血管、網膜、視神経を調べる検査。

眼底は、体の中で血管や神経の状態を直接見ることができる唯一の場所です。眼底検査を行うことによって、目の病気だけでなく糖尿病・高血圧・動脈硬化といった病の状態も把握できます。

糖尿病と診断された時点で、眼科で定期的に眼底検査を受けるようにしましょう。糖尿病網膜症を初期の段階で発見することで、網膜への損傷を最小限に食い止めることができます。
 

対策②:食事療法・運動療法

糖尿病の治療法である食事療法・運動療法をしっかりと行って血糖値を下げるようにしましょう。

糖尿病網膜症の原因となる糖尿病を改善しないと、どのような治療を行っても、一旦治まった病状が再発してしまいます。

初期の単純糖尿病網膜症の段階であれば、毎日の食事や運動に注意を払って血糖コントロールをしっかり行うことで、症状の進行を食い止めることができます。

 
糖尿病網膜症が発見された場合、治療はどのようにしていくのでしょうか?

最後に糖尿病網膜症の治療法について見ていきましょう。

 

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■糖尿病網膜症を治療するには?


糖尿病網膜症が進行した場合、網膜光凝固術や硝子体手術によって治療を行います。

それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。

治療法①:網膜光凝固術

網膜光凝固術とは、レーザー光線を網膜に当てる治療法です。網膜の血管が詰まって血液が流れなくなっている部分を熱で凝固することによって、網膜症の進行を食い止めます。

また、レーザーを照射することで、網膜の血流が低下した部分に新生血管が発生するのを防ぐ役割もあります。

網膜光凝固術は、症状の進行を抑えて失明を防ぐのに必要な治療です。早期であれば80%程度の効果が見られますが、病気になる前の視力に戻すことはできません。
 

治療法②:硝子体手術

網膜光凝固術を行っても効果が上がらなかったり、症状が進行している場合には硝子体手術が行われます。

白目の部分に小さな穴を3か所空け、そこから器具を挿入して出血によって濁ってしまった硝子体や、網膜にできた増殖組織を丁寧に除去します。網膜剥離が起こっている場合は、眼内に空気やガスを入れて、網膜を元の場所に戻します。

この手術によって失明を回避できる可能性は高まりますが、病気になる前の網膜の状態や視力に戻せるわけではありません。

この手術は眼科手術の中でも難しい手術と言われています。そのため、糖尿病網膜症による硝子体手術の実績のある眼科医を選ぶことをおススメします。

 
初期の単純糖尿病網膜症の段階を過ぎると、治療をしても網膜の状態や低下した視力が元に戻らないことがほとんどです。そのため、症状の進行を止めること、再発を防ぐことが主な治療目標となります。

治療後も引き続き血糖コントロールをきちんと行い、定期的に検診を受けるようにしましょう。血糖コントロールがうまくいかないと、症状が進行する危険性が高くなってしまいます。

 

■まとめ

糖尿病で失明する前兆症状について振り返っておきましょう。

<失明する前兆症状のサインがコレ!>
・蚊のような虫が飛んでいるように見える
・黒くもやもやしたものが見える
・真っ赤なカーテンが張っていているように見える
・視界がかすんで見える
・急激に視力が低下し、物が見づらくなる

 
血糖値の高い血液が流れることによって、網膜に張り巡らされている毛細血管が詰まったり破れたりするために網膜が損傷を受けるのです。

糖尿病網膜症を発症しても、初期だと自覚症状がありません。しかし、自覚症状に気が付いて眼科を受診した時には、糖尿病網膜症が進行してしまっていることも多いです。

糖尿病がきっかけで失明するのを防ぐためには、早期発見と早期対策が非常に大事

糖尿病と診断された時点で、眼科で定期的に眼底検査を受けましょう。また、糖尿病網膜症の根本原因となっている糖尿病の治療も併せて継続していきましょうね!

糖尿病による視力低下の原因については、こちらの記事をご参照くださいませ。
⇒ 糖尿病による視力低下!目に影響が出る原因がコレ!

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