「尿糖が陰性なのに糖尿病!?」

こんな質問をしている患者さんがいました。後からその患者さんと接した看護師に話を聞いてみると、“尿糖が出るのが糖尿病”だと思っていたとのこと。

結構ありがちな認識です。私も最初はそう思っていました(^^;)

糖尿病という名称から、尿糖が出るから糖尿病という病名だと誤解しがち。ただし、その認識だと部分点という感じです(;_;)

確かに、尿糖が出ると糖尿病である可能性は高いですが、尿糖が出ていなくても糖尿病である可能性があります!そこで気になるのが・・・

尿糖が陰性でも糖尿病の可能性がある理由

その理由には血糖値が大きく関係しています!血糖値と尿糖との関係を交えてお伝えしていきますね。

今回は尿糖陰性でも糖尿病の可能性がある理由について見ていきましょう!

 

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■尿糖が陰性なのに糖尿病?


尿糖が陰性なのに糖尿病の可能性があるのは、どうしてなのでしょうか?それは・・・

尿糖は血糖値が大幅に高くないと出てこないから

血糖値が大幅に高くなると、体内で処理できない血糖が尿糖として尿中に排出されるようになります。尿糖が排出されるようになる血糖値のことを閾値と呼びます。個人差はありますが、閾値はおおよそ160~180mg/dl程度

糖尿病の診断基準となる空腹時の血糖値は126mg/dlです。閾値を超えなければ、尿糖は排出されません。そのため、尿糖検査で陰性の状態であっても、糖尿病である可能性が十分あるのです!

 
血糖値が常に高く、空腹時でも180mg/dl以上といった状態では、尿糖検査を行うといつも陽性になります。

しかし、初期の糖尿病の段階だと、血糖値がいつも閾値を超えるわけではありません。尿糖を測定するタイミングによって、尿糖が陰性になることもあるのです!

 
糖尿病であっても、血糖値が常に高い人と、空腹時は正常範囲なのに食後だけ高いという人では、尿糖の出方に違いが現れます。

尿糖検査を行った際には、検査結果にどのような違いが出るのでしょうか?

次の章で詳しく見て行きましょう!

 

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■タイミングによって変わる!?


血糖値が常に高い人は、空腹時でも食後に関係なく、いつ尿糖検査を行っても尿糖は陽性になります。

しかし、空腹時の血糖値は正常範囲でも、食後に高血糖となる人は、検査するタイミングによって陰性になったり陽性になったりするのです!

それぞれの血糖値の状態で、尿糖がどう変化するのかをお伝えしていきます。

① 血糖値が正常な人

食後でも血糖値が180mg/dlを超えることは基本的にありません。そのため、どのタイミングで尿糖を検査しても、尿糖は陰性となります。

② 空腹時は正常でも食後の血糖値が高い人

空腹時の血糖値の低い状態の時に尿糖検査を行うと陰性になります。しかし、血糖値が高くなりやすい食後に尿糖検査を行うと、陽性になる可能性があります。

糖尿病予備軍や初期の糖尿病がこの状態に当てはまります。

③ 血糖値が常に高い人

空腹時血糖値も食後の血糖値も高く、常に閾値を超えていれば、いつ尿糖検査を行っても尿糖は陽性になります。

血糖値が非常に高く、放置しておくと危険な状態です。

 
尿糖検査をして陰性であったとしても、一度の検査だけで糖尿病ではないと安心するのは禁物!検査をした時には、たまたま閾値を超えるほどの血糖値ではなかったという可能性があるからです。

血糖値と尿糖には基本的に相関関係があり、血糖値が高くなればなるほど、尿糖の量も多くなります。そのため、尿糖検査で陽性が出れば、閾値以上に血糖値が高くなっていたということが言えます。

 
血糖値が大幅に高くなると尿糖が出ることがお分かりいただけたかと思います。最後に、尿糖測定にはどのようなメリットがあるのかについてお伝えしていきますね!

 

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■尿糖測定のメリットは?


尿糖測定には、どんなメリットがあるのでしょうか?大きなメリットは・・・

食後の血糖値のみが高い人を検出できること

この状態は食後高血糖と呼ばれています!糖尿病予備軍や初期の糖尿病の段階では、血糖値が空腹時は正常でも、食後のみ血糖値が高くなるのです。

血糖値のみの測定だと、測定した瞬間の血糖値しか分からないため、食後の瞬間的な高血糖を見逃す恐れがあります。

しかし、尿糖検査では排尿と排尿まで間の血糖状態が反映されます。尿が溜まる間の血糖状態が分かるのです!

 
血糖値と尿糖の測定は、どちらの方法にもメリットとデメリットがあります。

それぞれのメリットとデメリットについてまとめてみました!

【血糖値および尿糖測定のメリット・デメリット】

<血糖値の測定>
~メリット~

・測定した瞬間の血糖の状態が正確に分かる
・低血糖の場合も確認できる
~デメリット~
・採血した時以外の血糖の状態は分からない
・採血時に痛みを伴う

<尿糖の測定>
~メリット~

・排尿と排尿の間の血糖状態を把握できる
・尿を採取するだけなので痛みがない
~デメリット~
・血糖値そのものは測定できない
・低血糖は確認できない

 

血糖値は糖尿病の確定診断に必要な検査項目。尿糖は糖尿病の早期発見のために有用な検査項目。

尿糖と血糖値の両方の検査項目の意味を把握し、健康管理に役立てていきましょうね!

 

■まとめ

尿糖が陰性なのに糖尿病である理由について振り返っておきましょう。

<尿糖が陰性でも糖尿病の可能性がある理由がコレ!>
尿糖は血糖値が大幅に高くないと出ないから

 
尿糖は体内で処理できない血糖が尿中に排出されたものです。尿糖が排出されるようになる血糖値は、おおよそ160~180mg/dl程度。(個人差があります)

たとえ血糖値が糖尿病の診断基準に該当していても、血糖値が上記の値を超えないと尿糖は排出されません。そのため、尿糖検査を行って陰性であっても、糖尿病である可能性があるのです!

尿糖検査の大きなメリットは、食後のみ高血糖となる食後高血糖を検出できる点です。それは、糖尿病予備軍初期の糖尿病を発見できるということ。

冒頭で紹介した患者さんは、初期の糖尿病でした!そのため、糖尿病でも尿糖が陰性だったのです(^^;)

尿糖と血糖値の違いについて把握しておくと、自分の体の状態を正しく知ることに役立つと思いますよ(^O^)

尿糖測定の意義を正しく理解し、あなたの健康管理に役立てていきましょうね!

尿糖と血糖値の関係については、こちらの記事をご参照くださいませ。
⇒ 尿糖と血糖値の関係とは!?糖尿病に関わる2つの検査項目!

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