「糖尿病によって、足がつりやすくなるの??」
糖尿病の患者さんで、よく足がつる方がいます。「10年前までは、足がつることなんてほとんどならなかったのにねぇ…」と言っていました。1週間に何度も起こるようで、かなり大変そう(^_^;)
動いたときや睡眠中などに起こる足がつるという症状。“つる”とは筋肉の痙攣のことを指し、“こむら返り”と表現されることもあります。
誰にでも起こる可能性はありますが、頻繁に生じるのであれば、もしかすると糖尿病による症状かもしれません!そこで気になるのが・・・
足のつりと糖尿病の関係性
足がつりやすくなる原因には、血糖値が高い状態が続くことと大きく関係しているのです。両者にはどういった関係があるのでしょうか?
頻繁に足がつるのは糖尿病が原因である可能性について見ていきましょう。
■糖尿病によって足がつりやすくなる!?
糖尿病だと、なぜ足がつりやすくなるのでしょうか?その原因は・・・
糖尿病による神経障害
神経障害は、糖尿病の合併症で代表的な症状。糖尿病による神経障害が原因、足がつりやすくなる可能性があるのです!
糖尿病は血液中の血糖値が高くなる病気。高血糖によって血液がドロドロになることで、酸素や栄養の運搬が鈍くなります。
この状態が続くと、徐々に神経細胞が侵されていき、神経が障害を受けていくのです。
神経が障害されると、神経が筋肉に異常な信号を送るようになります。異常な信号を受けた筋肉が過剰に収縮することによって、足がつってしまうのです!
体の様々な部位の中でも、どうして足がつりやすいのでしょうか?その理由は、長い神経の先端で、栄養や酸素が行き渡りにくいから。
足自体に問題があることが原因の場合もありますが、このような整形外科疾患の場合には、足の片方だけに症状が現れます。それに対し、糖尿病による足のつりは神経障害が原因のため、左右対称に症状が現れるのが特徴。
糖尿病が原因で足がつるのは、放置していれば治るというものではありません!たかが足のつりと言って放置しておくと、症状が悪化して深刻化する場合も。
そのため、糖尿病による足がつりが疑われる場合には、糖尿病そのものを治療していく必要があります。
糖尿病の主な治療は食事療法・運動療法・薬物療法ですが、治療を怠ってしまうと、足がつる頻度が高くなっていく可能性があります。
どうしてそうなるのかを次の章で見ていきましょう!
■血糖値が高いと頻度が上がる!?
神経障害によって足がつりやすくなりますが、他にも起こりやすくなる原因があります。その主な原因が・・・
血流の低下
血流の低下によって、足がつりやすくなるのです!
気温が高い状態や激しい運動によって、足がつりやすくなりますよね。それは、体の水分が奪われて血液がドロドロになるという“血流の低下”が関係しているから (^_^;)
血糖値が高いと、これと同じような状態が体内で起こってしまいます。
血流の低下と血糖値の関係について見ていきましょう!
血糖値が高いということは、血液中のブドウ糖が多くなっている状態。ブドウ糖が血液中に多く余っているため、血液がドロドロしているのです。
例えるなら、糖分の高い砂糖水のようなもの。ガムシロップを思い浮かべるとわかりやすいかもしれません(^^)
砂糖水と同じように、血糖値の高い血液は血管内を流れにくいのです。そうすると、心臓が血液を全身に送り出そうとしても、末端まで届きにくくなるということ。
これが血流の低下といわれる状態。神経障害の他に、このような血流の低下によっても、足がつりやすくなるのです!
血糖値が高くて足がつりやすい場合には、糖尿病が原因かもしれません!万が一、糖尿病が原因である場合には、血糖値のコントロールをしっかりと行うようにしましょうね!
■まとめ
糖尿病によって足がつりやすくなるのはどうしてかを振り返っておきましょう。
神経障害
・血糖値が高い状態が続く
↓
・神経障害が起きる
↓
・筋肉に異常な信号を送る
↓
・筋肉が過剰に収縮する
↓
・足がつりやすくなる
神経障害が起きると、神経が通常とは異なる信号を筋肉に発信することが多くなります。そうすると、筋肉が過剰に収縮することによって、足のつりが起きてしまうのです。
神経障害によって、足のつりが頻繁に起こる根本的な原因は、血糖値が高い状態が続くこと。そのため、糖尿病の治療を行って、血糖値をコントロールしていく必要があります。
足のつりが頻繁に起きるようになると、どうしても足自体が悪くなったと疑いがち(^_^;) 糖尿病によって、足のつりが起きる可能性があるということを頭に入れておきましょうね!
日々規則正しい生活を心がけ、血糖値をコントロールしていきましょう!